奈良市の歯科(歯医者)ブランカ歯科は入れ歯・義歯に力を入れています。

24時間
WEB予約
WEB問診
診療案内
アクセス

入れ歯治療を数多く経験した歯科医師が考える、歯を失わないための予防歯科

医療コラム

【はじめに|入れ歯治療を行ってきたからこそ伝えたいこと】

「できるだけ自分の歯を残したい」

これは、多くの患者さんに共通する願いではないでしょうか。

私自身、これまで20年以上にわたり歯科診療に携わり、特に義歯(入れ歯)治療や噛み合わせの治療に力を入れてきました。

適切に診断・設計された義歯は、歯を失った患者さんの噛む機能や日常生活を支える、有効な治療方法です。

しかし、義歯治療に携わってきたからこそ、患者さんにお伝えしたいことがあります。

それは、「失った歯を補うこと」と同じくらい、「今ある歯を失わないこと」が大切だということです。

歯を失った原因を十分に理解しなければ、義歯によって機能を回復しても、残っている歯に新たな問題が生じる可能性があります。

反対に、歯を失う原因を早期に発見し、適切に対応することで、天然歯を長く維持できる可能性は高まります。

今回から始まる予防歯科の連載では、義歯治療を通じて得た経験も交えながら、歯を失う原因、検査・診断、治療、そして予防についてお伝えしていきたいと思います。

【1.義歯治療は、失った歯の機能を回復するための大切な治療です】

歯を失った場合、その機能を補う方法には、義歯、ブリッジ、インプラントなどがあります。

どの治療方法にも特徴があり、残っている歯の状態、顎の骨の状態、全身の健康状態、患者さんの希望などによって、適切な選択肢は異なります。

そのなかで義歯は、外科手術を必要とせずに欠損した歯を補える場合があるなど、多くの患者さんにとって重要な治療方法です。

しかし、義歯は単純に歯のない部分を埋めるだけの装置ではありません。

部分入れ歯の場合は、義歯を支える残存歯や歯周組織の状態が、治療結果に大きく関係します。

また、噛み合わせが変化している場合には、義歯の製作だけでは十分に対応できず、口腔内全体の状態を評価する必要が生じることもあります。

そのため、当院では、義歯そのものを製作することだけでなく、残っている歯の状態や噛み合わせを含めた検査・診断を大切にしています。

歯を失った部分を補うだけではなく、残っている歯も含めて、できるだけ長く良好な状態を維持すること。

これが、私の考える義歯治療の基本です。

【2.当院の義歯治療の経験から考えること】

奈良市のブランカ歯科では、一般的な歯科治療に加えて、ミラクルデンチャーや精密義歯、インプラントオーバーデンチャーなど、患者さんの状態に応じた欠損補綴治療に取り組んでいます。

2025年の診療実績は、次のとおりです。

・ミラクルデンチャー:約50症例
・精密義歯治療:16症例
・インプラント治療:33本

こうした治療経験を重ねるなかで、私が大切にしているのは、義歯の種類を決める前に、患者さんのお口の状態を十分に把握することです。

同じ本数の歯を失っている場合でも、残っている歯の状態や噛み合わせによって、治療計画は大きく異なります。

また、今ある歯をどの程度維持できるかによって、将来必要となる治療も変わってきます。

義歯治療の経験は、歯を失った後の機能回復だけではなく、今ある歯を守るために何を考えるべきかという視点にもつながっています。

その経験を、予防歯科にも生かしていきたいと考えています。

【3.そもそも、人はなぜ歯を失うのでしょうか?】

歯を失う原因として、代表的なものには次の3つがあります。

① 虫歯

虫歯が進行すると、歯の神経に炎症や感染が生じ、根管治療が必要になる場合があります。

また、治療を繰り返して残っている歯質が少なくなると、修復が難しくなったり、歯が割れたりする可能性があります。

② 歯周病

歯周病は、歯を支える歯周組織に炎症が生じる病気です。

進行すると歯を支える骨が失われ、歯の動揺が大きくなり、最終的に抜歯が必要になる場合もあります。

初期段階では自覚症状が少ないこともあるため、定期的な検査が重要です。

③ 歯の破折

歯の破折とは、歯の一部や歯根が割れたり、ひびが入ったりすることです。

歯の状態や破折した場所によっては保存できる場合もありますが、歯根の深い部分まで破折が及ぶと、抜歯を検討しなければならないこともあります。

この3つは、それぞれ独立して生じるとは限りません。

例えば、虫歯による治療を繰り返した歯に破折が起こる場合や、歯周病によって歯を支える組織が弱くなっているところへ過剰な力が加わる場合もあります。

つまり、歯の寿命は一つの原因だけで決まるものではありません。

大切なのは、一人ひとりの患者さんについて、現在どのような問題があり、今後どのようなリスクが考えられるのかを把握することです。

【4.歯を失う前に、できることがあります】

では、歯を失わないためには、どのようなことが必要なのでしょうか。

私は、大きく分けて3つの取り組みが重要だと考えています。

① 虫歯や歯周病を予防すること

毎日の歯磨きは、予防歯科の基本です。

しかし、歯ブラシだけで口腔内のすべての汚れを取り除くことは簡単ではありません。

歯と歯の間や、歯並びによって磨きにくい場所には、汚れが残りやすくなります。

歯間ブラシやデンタルフロスを適切に使用することに加えて、虫歯予防にはフッ化物の利用や食生活の改善も重要です。

また、歯周病については、歯肉の状態や歯周ポケットの深さなどを定期的に確認し、必要に応じた治療や管理を行います。

患者さんによって虫歯や歯周病のリスクは異なります。全員が同じ予防方法で十分というわけではありません。

② 治療が必要な場合には、残っている歯を大切にすること

予防歯科というと、虫歯にならないための取り組みを想像されるかもしれません。

しかし、すでに治療を受けた歯を守ることも重要です。

虫歯の治療を繰り返すと、そのたびに歯を削る必要が生じる場合があります。残っている歯質が少なくなるほど、修復方法の選択肢が限られることもあります。

そのため、必要以上に歯質を失わない治療を検討するとともに、治療後も再び虫歯が発生しないよう管理することが大切です。

当院では、治療方法や材料を選択する際にも、現在の歯の状態だけでなく、将来的な管理のしやすさを考慮するよう心がけています。

③ 歯に加わる力にも目を向けること

歯を守るうえでは、虫歯や歯周病だけでなく、歯に加わる力についても考える必要があります。

例えば、歯ぎしりや食いしばりによって、歯の摩耗や修復物の破損が生じる場合があります。

また、歯周病によって歯を支える組織が失われている場合には、噛む力が加わることで、歯の動揺などの問題が複雑になることもあります。

ただし、噛み合わせや歯ぎしりが、すべての歯の破折や歯周病の原因になるわけではありません。

そのため、実際の症状や検査結果を踏まえ、必要に応じて対応を検討することが重要です。

私は、虫歯、歯周病、歯に加わる力をそれぞれ確認しながら、口腔内全体を評価することが大切だと考えています。

【5.予防歯科は、歯石を取るだけではありません】

「定期的に歯石を取ってもらっているから大丈夫」

そう考えている方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん、歯石の除去や専門的なクリーニングは、予防歯科の重要な一部です。

しかし、予防歯科の目的は、それだけではありません。

例えば、次のような点を確認することも大切です。

・新しい虫歯や歯周病が発生していないか。
・以前に治療した歯に問題が生じていないか。
・歯肉や歯周組織の状態に変化がないか。
・歯の摩耗や修復物の破損などが生じていないか。
・毎日の清掃方法や生活習慣が、現在の口腔内の状態に適しているか。

必要な検査や通院間隔は、患者さんの年齢や口腔内の状態、治療歴、病気のリスクなどによって異なります。

歯科医院で定期的に確認することで、ご自身では気付きにくい変化を発見し、必要な対応を検討できます。

歯科医院は、痛くなったときだけ通う場所ではありません。

現在のお口の状態を知り、将来の問題をできるだけ減らすために利用していただく場所でもあるのです。

【6.ブランカ歯科が考える予防歯科とは】

私が義歯治療を通じて大切にしてきたのは、現在の問題を改善するだけではなく、患者さんのお口全体を診ることです。

歯を失った場所に義歯を製作する場合も、残っている歯の状態や噛み合わせを確認し、将来的にどのような変化が起こる可能性があるのかを考えます。

この考え方は、歯を失う前の診療にも共通しています。

まだ問題が起きていない歯は、できるだけ健康な状態を維持する。すでに治療を受けている歯は、新たな問題が生じていないか確認する。そして、問題が発見された場合には、十分な検査と診断を行い、適切な治療方法を検討する。

その積み重ねが、歯を長く使うことにつながると考えています。

当院では、義歯治療だけでなく、虫歯治療、歯周病治療、補綴治療、噛み合わせの診療などに取り組んでいます。

それぞれの治療を別々のものとして考えるのではなく、患者さんのお口全体を長期的に管理する視点を大切にしていきたいと思います。

【7.予防歯科について、よくある質問】

Q.毎日歯磨きをしていても、歯を失うことはありますか?

はい。虫歯や歯周病のリスクには、歯磨き以外にも食生活や唾液、全身の健康状態などが関係します。また、歯の破折など、歯磨きだけでは予防できない問題もあります。

Q.歯が痛くなくても、定期検診は必要ですか?

虫歯や歯周病は、初期段階では自覚症状が少ない場合があります。問題を早期に発見するためにも、定期的にお口の状態を確認することが大切です。

Q.一度治療した歯も、定期的に確認する必要がありますか?

はい。詰め物や被せ物の周囲に新たな虫歯が生じたり、歯周組織の状態が変化したりすることがあります。治療後も適切な管理を継続しましょう。

Q.歯を失ってしまった場合、どのような治療方法がありますか?

主な選択肢には、義歯、ブリッジ、インプラントがあります。残っている歯や顎の骨の状態、全身の健康状態、患者さんの希望などを踏まえて検討します。欠損の状況によっては、経過観察が選択肢となる場合もあります。

【まとめ|失った歯を補うことから、今ある歯を守ることへ】

義歯治療は、歯を失った患者さんの生活を支える重要な歯科治療です。

私はこれからも義歯治療に取り組み、失った噛む機能を回復するための診療を続けていきたいと考えています。

その一方で、歯を失う前から患者さんのお口の状態を把握し、天然歯をできるだけ長く維持することも、歯科医師として大切な役割だと思っています。

失った歯を補うことと、今ある歯を守ること。

この2つは、決して別々のものではありません。

今回から始まる予防歯科の連載が、皆さんにとって、ご自身の歯と健康について改めて考えるきっかけになれば幸いです。

ブランカ歯科
院長 田端 和高

【次回予告】

第2回|なぜ歯を失うのか?入れ歯治療を通じて考える3つの原因

虫歯、歯周病、歯の破折について、それぞれどのような過程で抜歯に至るのか、また、歯を失う前に何ができるのかを詳しく解説します。

最新コラム

PAGE TOP