奈良市の歯科(歯医者)ブランカ歯科は入れ歯・義歯に力を入れています。

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なぜ歯を失うのか?入れ歯治療を通じて考える3つの原因

医療コラム

【はじめに|歯を失う原因を知ることが、予防の第一歩です】

歯を失う主な原因は、虫歯、歯周病、そして歯の破折です。

これらは、それぞれ異なる病気や問題ですが、実際には複数の原因が関係している場合もあります。

例えば、虫歯の治療を繰り返して歯質が少なくなり、最終的に歯根が破折して抜歯に至ることがあります。また、歯周病によって歯を支える骨が失われ、噛む機能を維持することが難しくなる場合もあります。

私はこれまで20年以上にわたり、義歯治療や噛み合わせの治療に携わってきました。

義歯治療では、歯を失った部分を補うだけでなく、なぜ歯を失ったのか、残っている歯にはどのような問題があるのかを把握することが大切です。

なぜなら、歯を失った原因に対応しなければ、義歯によって噛む機能を回復しても、残っている歯に同じような問題が生じる可能性があるからです。

今回は、歯を失う代表的な3つの原因と、歯を失う前にできることについてお話しします。

【1.実際に、どのような原因で歯が失われているのでしょうか?】

公益財団法人8020推進財団が実施した2018年の全国抜歯原因調査では、全国2,345の歯科医院で行われた調査の結果、抜歯の主な原因は次のように報告されています。

・歯周病:約37%
・虫歯:約29%
・歯の破折:約18%

この3つで、抜歯原因の約84%を占めています。

※2018年の全国調査結果を四捨五入した数値です。現在の全国の割合を示すものではありません。

ここで注目したいのが、歯の破折です。

歯の破折にはさまざまな原因がありますが、過去に虫歯の治療を受け、神経を取った歯で発生する場合も少なくありません。

つまり、最終的な抜歯原因が歯の破折であっても、以前の虫歯や治療歴が関係していることがあるのです。

こうした背景からも、歯を失う直前の状態だけを見るのではなく、それまでの治療歴や口腔内の変化を理解することが重要です。

【2.原因① 虫歯|治療を繰り返すことで、歯を失う場合があります】

虫歯は、口腔内の細菌が糖分を利用して酸を作り、その酸によって歯が脱灰されることで進行します。

初期段階では自覚症状がほとんどなく、進行すると冷たいものがしみたり、痛みが出たりする場合があります。

さらに虫歯が進行して歯の神経に炎症や感染が及ぶと、根管治療が必要になることがあります。

ただし、虫歯になったからといって、必ず歯を大きく削る必要があるわけではありません。初期の虫歯では、状態に応じてフッ化物の利用や生活習慣の改善、経過観察などを検討することもあります。

■ 虫歯は、治療すれば終わりなのでしょうか?

虫歯治療によって失われた歯の形態や機能を回復することはできます。

しかし、削った天然の歯質が元に戻るわけではありません。

治療後に再び虫歯が発生すると、詰め物や被せ物を外して再治療する必要が生じる場合があります。

再治療を繰り返すうちに残っている歯質が少なくなり、治療方法の選択肢が限られることがあります。

特に歯冠部の歯質が大きく失われると、歯の修復や保存が難しくなる場合があります。

■ 虫歯による抜歯を防ぐためには?

重要なのは、虫歯の発生を予防するとともに、治療が必要な場合には、できるだけ健康な歯質を守ることです。

そのためには、毎日の適切な歯磨きや歯間清掃、フッ化物の利用、食生活の改善が基本となります。

また、治療を受けた歯についても、定期的に状態を確認することが大切です。

当院では、修復治療を行う場合も、現在の虫歯だけでなく、残っている歯質や将来的な再治療の可能性を考慮するよう心がけています。

【3.原因② 歯周病|歯そのものが健康でも、歯を失うことがあります】

歯周病は、歯を支えている歯肉や歯槽骨などの歯周組織に炎症が生じる病気です。

虫歯との大きな違いは、歯そのものに大きな問題がなくても、歯を支える組織が失われることによって抜歯に至る場合があるという点です。

歯周病は、初期段階では痛みなどの自覚症状が少ないこともあります。

そのため、歯肉からの出血や腫れがあっても、痛みがないからと放置される場合があります。

歯周病が進行すると、歯を支える骨が失われ、歯の動揺が大きくなることがあります。

さらに進行すると、噛む機能を維持することが難しくなり、抜歯が必要になる場合もあります。

■ 義歯治療と歯周病の関係

部分入れ歯の場合、残っている歯が義歯を支える役割を担うことがあります。

しかし、義歯を支える歯に歯周病が認められる場合、その歯の状態を十分に確認する必要があります。

歯周病が進行している場合には、義歯の製作に先立って歯周治療が必要になることもあります。

また、義歯を装着した後も、残っている歯や歯周組織の状態を定期的に確認することが重要です。

義歯治療の成功を考えるうえでも、残存歯の歯周組織を管理することは欠かせません。

■ 歯周病による抜歯を防ぐためには?

歯周病の予防と管理には、毎日のプラークコントロールに加えて、必要に応じた専門的な歯周治療が重要です。

また、歯周病は喫煙や糖尿病などとも関係するため、口腔内だけでなく全身の健康状態にも目を向ける必要があります。

歯周病の治療が終了した後も、患者さんの状態に応じた定期的な管理を継続することが大切です。

【4.原因③ 歯の破折|虫歯や歯周病がなくても、歯が割れることがあります】

歯の破折とは、歯の一部や歯根にひびが入ったり、割れたりすることです。

歯の一部が欠けた程度であれば修復できる場合もありますが、歯根の深い部分まで破折が及んでいる場合には、保存が難しくなることがあります。

歯の破折は、虫歯や歯周病と異なり、歯磨きだけで予防できる問題ではありません。

■ 神経を取った歯は、なぜ注意が必要なのでしょうか?

神経を取った歯では、過去の虫歯や治療によって多くの歯質が失われている場合があります。

歯を支えるために必要な歯質が少なくなると、残っている歯の形態や修復方法などによって、破折のリスクが高まることがあります。

ただし、神経を取った歯が必ず割れるわけではありません。

歯の状態や残存歯質、修復方法などによって、その後の経過は異なります。

大切なのは、神経を取ったかどうかだけで判断するのではなく、歯全体の状態を評価することです。

■ 噛む力や歯ぎしりとの関係

歯には日常的に噛む力が加わります。

また、睡眠中の歯ぎしりや日中の食いしばりによって、歯や修復物に大きな負担が加わる場合があります。

ただし、歯ぎしりが認められるからといって、必ず歯が破折するわけではありません。

歯の破折には、残存歯質や過去の治療歴など、さまざまな要因が関係します。

当院では、必要に応じて歯の状態や噛み合わせを評価し、適切な修復方法や管理方法を検討しています。

【5.義歯治療では、残っている歯を守ることも重要です】

歯を失った場合、義歯、ブリッジ、インプラントなどの方法で、失われた機能を補うことができます。

しかし、欠損部分だけを治療すれば、すべての問題が解決するわけではありません。

例えば、部分入れ歯を製作する場合には、義歯を支える残存歯の状態を十分に評価する必要があります。

残っている歯に虫歯や歯周病がある場合には、義歯の製作と並行して、あるいは製作に先立って、それらの治療が必要になることがあります。

また、奥歯を失った患者さんでは、噛み合わせや残存歯の状態が変化している場合もあります。

そのため、歯を失った部分だけでなく、口腔内全体を診断することが重要です。

当院では、義歯治療においても、現在の噛む機能を回復するとともに、残っている歯を長期的に維持することを大切にしています。

義歯は、失った歯を補うだけのものではありません。残っている歯や歯周組織との関係を考えながら、適切に設計し、使用していく必要があります。

【6.歯を失わないために、今からできること】

歯を失う代表的な原因である虫歯、歯周病、歯の破折は、それぞれ発生する仕組みが異なります。

そのため、歯磨きだけですべての問題を予防できるわけではありません。

歯を長く使うためには、次のような取り組みが重要です。

① 虫歯のリスクを管理する

毎日の歯磨きや歯間清掃、フッ化物の利用、食生活の見直しなどによって、虫歯の発生リスクを減らします。

② 歯周組織の状態を定期的に確認する

歯肉の状態や歯周ポケット、必要に応じて歯槽骨の状態などを確認し、歯周病の早期発見や適切な管理につなげます。

③ 治療を受けた歯を継続的に管理する

詰め物や被せ物の状態、再び虫歯が発生していないか、歯や修復物に破損がないかなどを確認します。

④ 必要に応じて噛み合わせや歯に加わる力を評価する

歯の摩耗や破折、修復物の破損などが認められる場合には、歯に加わる力や噛み合わせについても確認します。

これらの検査や管理は、すべての患者さんに同じ方法で行うものではありません。

現在のお口の状態や治療歴、病気のリスクなどを踏まえ、一人ひとりに必要な予防や管理の方法を考えることが大切です。

【7.ブランカ歯科が大切にしていること】

私が義歯治療を通じて大切にしてきたことの一つが、治療を始める前の検査と診断です。

歯を失った患者さんのお口を診るとき、単に何本の歯が失われているかだけでは、適切な治療計画を立てることはできません。

なぜ歯を失ったのか。

残っている歯は、どのような状態なのか。

これから先、その歯を維持するために何が必要なのか。

こうした点を考慮することが重要です。

この考え方は、予防歯科にも共通しています。

現在は痛みがなく、日常生活に支障がなくても、検査によって問題が見つかる場合があります。

反対に、検査を行った結果、直ちに治療を行わず、経過を観察することが適切と判断される場合もあります。

大切なのは、検査結果を踏まえて、必要な治療や管理を選択することです。

当院では、義歯治療だけでなく、虫歯治療、歯周病治療、補綴治療、噛み合わせの診療などを通じて、患者さんのお口全体を長期的に管理することを目指しています。

【8.よくある質問】

Q.歯を失う原因で最も多いのは何ですか?

2018年の全国抜歯原因調査では、抜歯の主な原因として最も多かったのは歯周病で、約37%でした。次いで虫歯が約29%、歯の破折が約18%でした。ただし、歯の破折には、過去の虫歯や治療歴が関係している場合もあります。

Q.虫歯がなくても、歯を失うことはありますか?

はい。歯周病が進行して歯を支える骨が失われたり、歯根が破折したりすることで、抜歯が必要になる場合があります。

Q.神経を取った歯は、必ず割れるのでしょうか?

いいえ。神経を取った歯が必ず割れるわけではありません。残っている歯質の量や形態、修復方法など、さまざまな要因が関係します。

Q.歯周病で歯がぐらついている場合、抜歯するしかありませんか?

必ずしもそうではありません。歯周病の進行程度や歯槽骨の状態などによっては、歯周治療によって保存を検討できる場合があります。ただし、保存が難しい状態になっている場合もあるため、適切な検査と診断が必要です。

Q.入れ歯を使用していても、定期検診は必要ですか?

はい。特に部分入れ歯の場合には、義歯を支える残存歯や歯周組織の状態を継続的に確認することが重要です。また、義歯自体の適合状態や噛み合わせの変化などについても、定期的な確認が必要です。

【まとめ|歯を失う原因を知り、今ある歯を守るために】

歯を失う代表的な原因には、虫歯、歯周病、歯の破折があります。

それぞれ異なる問題ですが、実際には複数の原因が関係している場合もあります。

義歯治療は、失った歯の機能を回復するための大切な治療です。

しかし、義歯によって機能を回復した後も、残っている歯を適切に管理しなければ、新たな問題が生じる可能性があります。

だからこそ、歯を失った原因を理解し、今ある歯をできるだけ長く守ることが重要だと考えています。

歯を失ってからの治療だけではなく、歯を失う前からの検査と診断、そして継続的な管理を大切にしていきたいと思います。

ブランカ歯科
院長 田端 和高

【次回予告】

第3回|歯を1本失ったまま放置すると、残っている歯はどうなる?

歯を失った後、隣の歯や噛み合う歯にどのような変化が生じる可能性があるのでしょうか。

歯を失った場合の口腔内の変化や、欠損部分を補う治療の必要性について解説します。

【参考資料】

厚生労働省 e-ヘルスネット「歯の喪失の原因」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-04-002

厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周病とは」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-03-001

公益財団法人8020推進財団「第2回 永久歯の抜歯原因調査報告書」(2018年)
https://www.8020zaidan.or.jp/pdf/Tooth-extraction_investigation-report-2nd.pdf

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